ゴーヤ

ウリ科
熱帯アジア原産
別名:苦瓜、つるれいし、れいし


 キューリを太くしてイボイボだらけにしたような「ゴーヤ」は、決して 見た目に良いとは言えない。
 でも、濃くてつややかな緑の果皮を見ていると、 沖縄や鹿児島をはじめとする九州の人たちが、ビタミンC豊富で 夏バテ防止の効果抜群と言って、夏になると毎日食べるというのも、 うなづけるような気がする。
 ゴーヤ料理といえば、チャンプル。 豆腐や野菜と一緒に炒めて卵をかけた、伝統の沖縄料理。
 酒の肴にもってこいだし、もちろん、ご飯のおかずにもなる。
 飯田橋の沖縄料理店「島」で、泡盛なめつつ初めて食べて感激して以来、 自分で栽培してみたくなったが、農協や種苗店に行っても種子がない。
 南の国の産物なので、関東地域では育たないのだろうと、なかば諦めていたが、 5年前に神田駿河台下のT種苗店で売っているのをみつけることができた。
 さっそく蒔いてみたところ、無事に芽をだしてツルを伸ばし、夏の暑さにも負けず、 次から次へと黄色い花を咲かせ、結実する。本当に手要らずの健康野菜であった。
 その後は毎年、採種してそれを翌年蒔き、収穫している。(1996年9月記)


[ゴーヤーマン]

 その後、次第に普及しスーパーマーケットなどにも並ぶようになったゴーヤだが、2001年は大ブームとなった。
 きっかけはNHKの連続テレビ小説「ちゅらさん」。那覇にある主人公の実家では庭でゴーヤを栽培し、もぎ取るシーンが。あげくに、「ゴーヤーマン人形」なるみやげ物を製造・販売することになる。
 ドラマではまったく売れなかったこの人形だが、(株)ツクダが実際に発売したところ、大人気を博した。東京駅八重洲地下のNHKキャラクターショップで売っているとの情報を得て求めに行ったが、いつも売り切れ。何度も通ってようやく入手することができた。 ↓


〔ゴーヤの栽培〕
  • 播種時期:関東地方で5月中旬
  • 収穫時期:7月〜9月

 陽あたりの良いところに肥料を施し、60cm以上の間隔をおいて 1カ所3〜4粒ずつ、2cmほどの深さに種子を蒔く。
 発芽して20〜30cmほど伸びるまでに、間引きして1カ所1〜2本とし、支柱を立てる。 普通の畑地や庭などであれば、支柱は合掌作りや箱作りにし、軒先やベランダであれば、 壁などに立てかけるようにしてもよい。
 いずれの場合も、ネット(キューリネットなど)を張るか、紐を縦横に張って、 つるを誘引する。
棚や垣根につるを這わせると、陽除けにもなるし、見た目にも葉と実の緑が美しい。
 キューリと同じで地面に這わせても良いそうだが、つるがからむように 藁などを敷いてやる必要がある。これをしないと強風の時につるが流されて弱まるし、 実が汚れる。しかし、藁などどこにでもありそうだが、いまの都会では 意外と入手しにくく、私は試みたことがない。
 他に手間は何も要らない。たまに追肥をやればよい。黄色い花が咲いて 虫たちが花粉を運んでくれると結実し、はじめはマッチ棒のように小さいのが 2週間もたつとみごとに成長する。実はほとんど虫喰いがない。
 鮮やかな緑の実が大きく育ったら、黄ばんでこないうちに収穫する。


〔97年の栽培記〕

5月11日播種、6月8日現在、発芽4本。今年も、種子袋などに記されているのより発芽時期は遅め。 播種はもう少し遅くてよいのかも知れぬ。
6月21日現在、発芽5本。ツルを出し始める。そろそろ支柱を立ててネットを張らねば。
6月28日、台風の来る前の小雨降るなか、支柱を合掌に立ててきゅうりネットを張る。
7月6日、早くも花をつける。
7月19日、次から次へとツルを伸ばし始める。地面をはっているツルや、隣のみょうがにからんだツルを ネットに誘引したり摘心する。花も多くなってきたが、まだ実は結んでないようだ。
7月25日、長いツルはネットの最上部(地面から約180cm)まで到達。
ようやく実をつけ始めたが、昨年の初収穫は7月19日だったので、今年はかなり遅い。
8月2日、実は3つ、いずれも15cmほどに育っている。
8月9日、今年も、繁茂しすぎた重さに、支柱が歪んでしまった。ヒモを結び直してなんとか修復。 まだ小さめだが3本収穫。11日にチャンプルにして食べる、旨いっ。
8月31日、6本収穫。例年に比べて実のつきが遅かったので心配していたが、 やはり今年は成長がよろしくない。ツル、葉はよく繁っているのだが、 色着きが悪くて、やけに白っぽいし、実が大きくならないうちに熟してしまう。 料理してみれば、別に味は悪くないのだが・・・。6年間作り続けてきて、こんなことは初めてだ。
市民農園でゴーヤを栽培している他の人も、「小さいし、色着きが悪い」と言っていた。


[種子プレゼントに応募なさった方々からの報告]

6月9日:H.Mさん(京都)
 5月25日に播種したのが、2週間以上過ぎてようやく発芽しそう、との報告をいただきました。 一時は、諦めかけていたとのこと。

6月29日:S.Sさん(名古屋)
 5月3日に小さな植木鉢に1つぶづつ5鉢ほど蒔き、 そのうち、3鉢が発芽、庭に移植したとの報告をいただきました。
 写真を添付していただき「6月も後半なのにまだこんなに小さいのですが結実するのでしょうか?少し心配です」 とおっしゃってますが、大丈夫! 気温の上昇とともに、いやになるほど(?)繁茂します。

S.Sさん:6月8日撮影 S.Sさん:6月25日撮影

7月1日:Y.Hさん(川崎)
 5月下旬に芽が出て、なにもせずにホッタラカシの状態だけれど、 ツルが2本ほど伸びて元気に育っている、との報告をいただきました。
 「 ぷらんたぁ畑だより」(リンク集でも紹介しています) の絵にも描いていただきました。腐葉土の入っていた袋に土を入れて育てていらっしゃるそうです。

7月1日:S.Tさん(相模原市)
 5月23日、10粒の種を植木鉢3つに分けて、それぞれ3−4粒播き、 6月10日になって最初の芽が出ると、あとは次々と発芽しはじめ、10粒中9粒が1週間 から10日以内に発芽、最後のひと粒はほとんどあきらめていたけれど、 6月28日、ついに芽を出した、との報告をいただきました。なんと、発芽率100%ですね。
 早いものは20センチほどまで成長したので、6月30日に支柱を立てたところ、 つるが10センチほど伸びてからまりはじめている、とのことです。

7月8日:H.Mさん-第2信(京都)
 ポットに10粒播いた種子は、最終的に8本が発芽し、現在、草丈1m程度、 キュウリに比べてツルが細く、葉も小さいようで、やや心細い思い、との報告をいただきました。
 ほんとにツルが細くて頼りなさそうなのですが、大丈夫です。その細いツルに、あの太い実ができるのです。

7月13日:M.Mさん(川崎)
 1度目の播種では発芽せず、7月上旬に再度播いたところ、1週間ほどして 8粒中5粒発芽した、との報告をいただきました。これからでも十分間に合うことでしょう。

7月20日:M.Mさん-第2信(川崎)
 支柱を買ってきて(1番長いのを買った)プランターの両側に固定し、ビニール紐で網を作った。 写真を撮ったので、近くメールで送る、との報告をいただきました。
 8月1日、右の写真を送っていただきました。(M.Mさん:7月27日撮影)

7月31日:H.Mさん-第3信(京都)
 7月30日の夕方、5cmくらいの実が出来ているのを確認。花は、ずいぶん多く咲いているが、 迷走台風の影響で悪天候が続いていたせいか、今のところ、実はこの1個だけ、との報告をいただきました。

8月11日:S.Sさん-第2信(名古屋)
 8月7日に何気なくゴーヤを見たら、なんと15cmぐらいの実が生っているではないですか。 だいぶ前に花が咲いているのを見て、それ以降ちょくちょく見ていたのですが、気がつきませんでした、 とのメールをいただきました。
 写真を添付していただき「他に花は1つしか咲いてない。今年は天候が悪いので、ゴーヤにはきつい夏なのかな?」 とおっしゃってますが、私のところでも、例年に比べて実の成長が遅いようです。


写真左:S.Sさん:7月16日撮影/写真右:S.Sさん:8月10日撮影

8月25日:M.Mさん-第3信(川崎)
 「けさ水をやっていたら、しおれかけた花の付け根に小さな実が付いているのを見つけました。 5センチぐらいが一つと3センチぐらいが一つの合わせて二つです。 花は他に6〜7個咲いていますし、つぼみは無数にあります。 どうやら来月はいっぱい食べられそうです」とのメールをいただきました。
 M.Mさんのところにお送りしたゴーヤの種子は、郵送中に粉々になってしまい、 7月に入ってから播き直したので、遅れ目なのです。

8月26日:H.Mさん-第4信(京都)
 「8月8日以降、降雨が無く畑はカラカラ地割れ状態ですが、ゴーヤは強い! 現在までに15本ほど収穫しました。まだまだ収穫できそうです。 貴HPのレシピを基に、チャンプルにしてほとんど毎日食べています」 とのメールをいただきました。うらやましい限りです。
 また、沖縄農園のHPに、 ゴーヤ情報があると教えていただき、早速拝見しました。 レシピもあって、なかなか詳しく書かれてます。

8月29日:Y.Hさん-第2信(川崎)
 「収穫して、早速ゴーヤチャンプルーを作って食べました。 あの苦みは独特で久しぶりに食べたのですが、おいしかったですよ。 それにしても本当にゴーヤは丈夫ですくすく育ちますね」とのメールをいただきました。
 「 ぷらんたぁ畑だより」(リンク集でも紹介しています) の「旬のいただきもの」に、実の写真を掲載なさってます。

9月2日:Y.Hさん-第3信(川崎)
「プランターのせいか野菜全般に言えることなのですが、実が小さめです。 ゴーヤもその例にもれることなく、大きくなるものでも12センチくらいでしょうか?」 とのご報告をいただきました。

9月9日:M.Mさん-第4信(川崎)
 写真を送信いただき、「もうちょっと細長くなってから食べたいのですが、 熟してしまうのも心配なので、あすあたり食べようかとも思っています」とのメールをいただきました。 ベランダのプランターで育てて、長さ17cmほどだそうです。
 上記のように、M.Mさんのところにお送りしたゴーヤの種子は、郵送中に粉々になってしまい、 7月に入ってから播き直したので、遅れ目なのです。


写真左:M.Mさん:8月27日撮影/写真右:M.Mさん:9月 8日撮影

9月15日:M.Mさん-第5信(川崎)
 「昨晩初めての収穫を食べました。ナスと一緒の味噌いためと、塩で軽くもんだキュウリもみ風です。 肉が厚く、歯ごたえも十分でうまかったですが、心なしか苦みが少ないように感じました。 今晩ももう一つ収穫してチャンプル風にしてみるつもりです」とのメールをいただきました。
 上記のように、M.Mさんのところにお送りしたゴーヤの種子は、郵送中に粉々になってしまい、 7月に入ってから播き直したので、遅れ目なのです。

9月16日:H.Mさん-第5信(京都)
 今までに30本以上収穫し、まだ小さい実がたくさんついているが、最近になり実の肥大化が遅くなった。 小さ目で収穫しているが、そろそろ撤去しようかと思っている、とのご報告をいただきました。 うらやましい限りです。

 そろそろ終りですが、他の皆さんのところでは、いかがでしょう?


〔96年の栽培記〕
5月18日播種、6月30日支柱立て、7月19日初収穫、10月5日現在収穫量約60本。
10月上旬まで、次々に花を咲かせて実をつけ、大豊作。
食べきれないし、配りきれなかったので、種子をいっぱい採った。

支柱に繁るゴーヤ 可憐な花が咲く

はじめは こんなに小さい そろそろ収穫

 熟れると、右の写真に見るように果皮が割れて、種子の1つずつが赤い膜に覆われているのが分かる。 この膜を取り去って水洗いし、乾燥させたものを保存して、翌年蒔く。

 8本の苗を育てて合掌作りの支柱を立てた。成長が良すぎて つるの先端をいくら摘心しても子づるがどんどん増え、 繁茂しすぎた重さに、支柱が歪んでしまった。来年は 苗を少なくするか、支柱を増やさねば。

ゴーヤ栽培の北限はどこ? さて、関東で栽培できることは実証されたわけですが、それでは 一体、ゴーヤ栽培の北限はどのあたりなのでしょう?
神田駿河台下のT種苗店で尋ねたところ、「夏の作物なので、 平地であれば日本のどこでも栽培できる。ただし北海道では加温が必要」とのこと。
なお詳細な情報を集めようと思いますので、関東よりも北、あるいは高地で、 ゴーヤを栽培したことのある方、またはゴーヤ栽培を見かけたことのある方は、 ぜひ情報(およその住所、出来具合いなど)を E-mail でお寄せください。 その他、このページへのご意見、ご感想もお待ちしています。

いただいた情報
[1]2001. 7.30 週末にお友達と色々な野菜作りを楽しんでいらっしゃる石川県の大垣武恭さん
 「北国の石川県で今年初めてゴーヤを作りました。今年の夏は酷暑の感がしますので今が最盛期です。雪国の加賀藩でも栽培可能です」
[2]2001. 8.17 福島県郡山市の山縣正夫さん
 「知人から苗をわけていただいた隣の奥さんが今年初めて畑に植えたところ、見る見る成長して実が沢山ついたとのことで、15cmほどのゴーヤを頂戴しました」
[3]2001. 9.14 北海道札幌市のhadukiさん
 「沖縄で手に入れたゴーヤを4月半ばからポットで育苗し、6月初めにマルチした畑に移植、8月に実がつき始めたのですが、5-6cmで黄色くなってしまいました。本日やっと2本収穫できました」
[4]2001.10. 2 秋田県大曲市で兼業農家をなさっているf.fuchanさん
 「ポットに蒔いて発芽させ、畑に移植。気温の上昇とともにワサワサと成長、沢山収穫できました。大きいのは30cmくらい」
[5] 2002. 1,28 北海道旭川市の孝子さん
 「H12年1月に沖縄旅行に行ったさいに、空港でみつけたゴーヤーの種を買い、春に植えてみました。旭川の春は寒いので、室内でポット植えをして、発芽後 6月なかごろに畑に移植。10本ぐらいは収穫できました。旭川でも育てられるんだと思っていたら、本格農業の方が、ゴーヤーを育て、たわわに実ってる写真が昨年の新聞に掲載されていました。」

〔ゴーヤの料理〕

ゴーヤの苦味は食欲を増進させ、ビタミンCも豊富で夏バテ防止にうってつけ。しかも、 料理法はいたって簡単。皆さんもぜひお試しください。
ゴーヤは八百屋さんやスーパーで、1本 150〜250 円ぐらいで売っています。


ゴーヤ料理の基本

ゴーヤはタワシなどで表面を洗い、両端を切り落してタテ半分に割り、中の種とワタを スプーンなどで取り除く。


ゴーヤチャンプル

ゴーヤチャンプル

〔材料〕(4人分)

ゴーヤ1本
木綿豆腐1丁
人参 1/2本(その他あり合わせの野菜でも)
豚肉小間切 200g (無くてもよい)
卵1〜2個
出汁(かつおだしなど)

コショー
しょう油
植物油

〔作り方〕

ゴーヤは2〜3ミリ厚さの半月形に切る。
豆腐は水気を切って大きめの角切にする。
中華鍋(またはフライパン)を熱して植物油をしき、 豆腐を両面きつね色になるまで炒める。
豚肉を入れて色が変ったら、ゴーヤ、人参の千切りを加える。
塩、コショー、しょう油で味つけし、出汁 1/2カップを加えて煮たたせる。
とき卵を流し込み、半熟程度にからめてできあがり。

実に簡単。 それでいて、豆腐・油・ゴーヤ・卵のコンビネーションが旨さを引きだし、栄養も満点。


ゴーヤと挽肉の辛子炒め (So Tasty Original)

ゴーヤと挽肉の辛子炒め

〔材料〕(4人分)

ゴーヤ1本
豚挽肉 200g
赤ピーマン2個
玉ネギ大1個


コショー
しょう油
豆板醤

植物油

〔作り方〕

ゴーヤは2〜3ミリ厚さの半月形に切る。
挽肉に塩、コショー、酒を振っておく。
中華鍋(またはフライパン)を熱して植物油をしき、挽肉を炒める。
色が変ったら、ゴーヤ、ピーマンの細切り、玉ネギの半月切りを加えてよく炒める。
塩、コショー、しょう油で味付けし、豆板醤を加えて混ぜる。
最後に酢を少々たらしてかき混ぜ、できあがり。

ゴーヤの苦味と唐辛子の辛味をミックスして何とかならないかと考えてつくったところ、 結構いける味になった。 ピーマンは、もちろん緑でも黄色でもいいと思うが、ゴーヤの緑、玉ネギの白との色合い を考えて、赤ピーマンにした。


この他、ゴーヤのゴマ酢あえ(ウサチー)、おひたし、ジュースなども、よく作られる。


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